いねむり先生 伊集院静〔著〕

いねむり先生(色川武大)は、ナルコレプシーという十分な睡眠をとっているにもかかわらず、突然居眠りをしてしまう難病を患っていたらしいです。伊集院さんは、最愛の妻を亡くし人生の絶望の淵にいる時に知り合いのKさんにその先生を紹介され、一緒にギャンブルの旅に出かけて先生の振る舞いに接するうちに、何とか立ち上がるきっかけを掴んでいくようになります。

物語には書かれていませんでしたが、本当はKさんがどん底にいる伊集院さんを何とか救いたいという思いで、救えるのはこの先生しかいないと先生に相談し、先生は先生で、何とか一歩前に踏み出す切っ掛けになったらという思いで旅に誘ったのではないかなあと思ったりしています。

このように人間が絶望の闇から何とか再生していく物語は、読む方も何か一歩前に踏み出すようなちょっとした勇気をもらったような気になります。

ところで、先生を慕い、先生以外にこの小説に登場するKさん、Iさんは超有名な人のようです。