仮想通貨について2

 先週の朝日新聞に、仮想通貨(ビットコイン)ついて3日連続で記事が出ていました。

<16日の朝刊 経済学者 岩井克人氏>

ビットコインは数が限られ将来値上がる期待感から、それ自体が「値上がりそうな資産」となり、この1年で大変な投機の対象となった。
・値上がり益を期待して手にする限り、だれも交換手段などにしない。
・逆に価値が下がると事業者は受け入れをやめる。
・貨幣価値の安定には中央銀行のような公的な存在が必要で、中央銀行を不要とするビットコインは、万が一貨幣になったとしても長期的には滅びると考える。

<17日の朝刊 千葉大学 神里辰博氏> 

・背景にある思想は、ブロックチェーンという一種の共有の取引台帳の仕組みが実装されたことにより、権力からあらゆる規制を乗り越えて真に自由な世界を実現しようとする理想主義的な考え方がある。
・台帳の信頼性を確認維持するための作業に、基本的に誰でも参加でき新たなビットコインがその報酬として得られる設計となっている。
・これがインセンティブとなって、中心的な管理者がいなくても、このシステムは自動的に維持され、同時に新たなコインが持続的に供給される。
・IT世界では、設計仕様やソースコードが公開されボランティアが協力して開発が進められる例は珍しくない。ブロックチェーンは通貨のみならず、多様な応用が考えられるだけに、今後も世界中の知が協働することが重要。

<18日の朝刊>

ビットコインへの規制の波、G20に独仏提案議論へ。
・一方で、ブロックチェーンの技術はデータ改ざんが難しいとされ、決済コストを減らせる可能性があり、仮想通貨の将来性に期待する動きがある。
・スイスではビットコインでの納税を認める自治体が登場した。
・日本では、昨年世界で初めて仮想通貨取引所に登録制を導入し、監督する金融庁が動向が見守る。

 

 仮想通貨の話題が非常に賑やかになってきています。否定的な意見から期待する意見と様々な議論が盛り上がっていますが、仮想通貨が貨幣として一般的に広がることになれば、個人的には良い意味で社会構造を大きく変えていくことになると思っています。